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英国:政府、国民負担軽減のためネットゼロ政策を一部見直し

2023-09-20
  • 欧州
  • エネルギー一般・政策

英国のスナク首相は2023年9月20日、2050年ネットゼロ達成に向けた政策について、現実に即したアプローチをとるよう見直し、生活費の上昇に苦しむ国民の負担を軽減すると表明した。具体的には、ガソリン・ディーゼル車の新車販売禁止時期を2030年から2035年に延期すること、化石燃料を使用する暖房器具の設置について2026年以降フェーズアウトという当初目標から2035年以降禁止に延期すること、賃貸物件を所有する大家に対する物件の断熱基準の義務付けを撤廃することを発表したほか、自動車の共有(カーシェア)推進や航空機利用に対する追加課税、肉類・乳製品の摂取減、リサイクルの種類の細分化など国民生活に干渉する政策を検討しないことも掲げた。これらにより生活費の上昇に苦しむ多くの国民にゆとりを与えるとしている。またスナク首相は、政策を転換する理由として、英国がこれまで先進国の中でも率先して目標を上回るペースで排出量の削減に貢献してきた一方、英国の排出量は全世界の1%にも満たないことも挙げている。なお、パリ協定など国際公約自体は今後も順守し、国内で設定している排出削減目標(カーボンバジェット)達成に向け国会で継続して議論を進めていくことを表明している。