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ドイツ:政府、「国家水素戦略」改定版を閣議決定

2023-07-26
  • 欧州
  • 環境・再エネ

連邦政府は2023年7月26日、水素市場立ち上げとサプライチェーン構築の迅速化に向けて、「国家水素戦略」改定版を閣議決定した。2020年に策定された旧戦略からの変更点として、国内における水素製造能力の増強のため、2030年の水電解装置導入目標が現行の500万kWから1,000万kWに引き上げられた。一方、政府は2030年に水素需要が950億~1,300億kWhに拡大すると予想しており、国内製造のみでは需要を賄えないため、需要の50~70%を輸入する方針である。このため、連邦政府は年内に「水素輸入戦略」を策定するとしている。改訂版にはまた、水素市場の迅速な立ち上げと移行期における供給不足を回避するため、ブルー水素やターコイズ水素といった低排出水素の輸入も認めることが明記された。水素輸送インフラについては、既存のガス導管の転換や新設により、2027/2028年までに国内で1,800km以上、さらに欧州全体では約4,500kmの水素パイプラインを整備する。基幹系統の整備により、2030年までに水素製造、輸入、貯蔵の主要拠点と需要家を接続することを目指している。再エネ業界団体からは、洋上風力による水素製造に対する支援が明示されていない点、また国内における再エネ導入・グリーン水素製造のポテンシャルを最大限に活用することなく、ブルー水素の輸入を認めている点などに批判が集まっている。