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EU:欧州議会とEU理事会、再エネ指令改正に暫定合意 再エネ目標を引上げへ

2023-03-30
  • 欧州
  • 環境・再エネ

欧州議会とEU理事会は2023年3月30日、再エネ指令(Renewable Energy Directive、2018年12月施行)の改正について暫定合意に至ったことを発表した。今回の改正案ではEUのエネルギー最終消費に占める再エネ比率に関して、法的拘束力のある2030年までの目標を42.5%以上、さらに努力目標として45%を掲げている(現行目標は32%以上、2021年実績は21.8%)。同目標については2021年7月に欧州委員会が発表した同指令の改正案で40%以上に引き上げることが提案されていた。さらに、2022年3月に発表された「REPower EU」において目標を45%以上に引き上げることが提案され、45%への引き上げを支持する欧州議会と(大幅な引き上げに)慎重なEU理事会とで意見が分かれていたが、中間値である42.5%で暫定合意に至ることとなった。また、今回の改正案には再エネ目標の他にも、運輸、産業、建物などの再エネ導入が遅れている部門に対する個別目標の設定や「再エネ導入促進地域(Renewables go-to areas)」の設定などによる許認可手続きの短縮化、生物多様性への悪影響が懸念されるバイオマスに対する審査の厳格化などが盛り込まれている。議論の争点となっていた原子力由来の水素の扱いについて直接的な言及はないが、同水素はグリーン水素ではないものの、産業部門の脱炭素化に貢献する水素として位置づけられたものとみられる。今回の暫定合意については今後、欧州議会とEU理事会の双方で承認された後、正式に採択されることになる。