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ドイツ:ドイツ政府、救済プログラムを修正しUniper株式98.5%を取得

2022-09-21
  • 欧州
  • エネルギー一般・政策

ドイツ連邦政府、ドイツのエネルギー大手Uniper、同社の筆頭株主であるフィンランドのエネルギー大手Fortumの3者は2022年9月21日、ドイツのエネルギー供給の安定化を図るため、同年7月22日に発表したUniper救済プログラムを修正し、Uniperをドイツ政府の完全管理下に置く基本合意に至ったと発表した。7月の救済プログラムでは、ドイツ政府の約3億ユーロの出資によりUniper株式30%を取得し、更なる状況の悪化の場合には強制転換社債を引き受け最大77億ユーロ追加出資するとしていたが、同プログラムの発表以降、同社の収支状況は急速に悪化、そのため手続きを簡素化し1株1.70ユーロの新株発行により80億ユーロの増資を実施し、ドイツ政府がこれを引き受けることとした。さらに増資完了後、ドイツ政府はFortumが保有するUniperの全株式を約5億ユーロで取得する予定で、これによりドイツ政府のUniper株式保有比率は約98.5%となる見込みである。また、今回の合意には、(1)増資完了までの間、政策金融機関の復興金融公庫(KfW)が、必要に応じてUniperにつなぎ融資を提供すること、(2)ドイツ政府はFortumがUniperに提供した40億ユーロの融資を返済するとともに、Fortumの40億ユーロの債務保証を解除すること、(3)Uniperが2026年末までにスウェーデンの水力発電、原子力発電資産の全部または一部を売却する場合、Fortumが優先交渉権を持つことも含まれる。なお、今回の合意は規制当局の認可とUniperの臨時株主総会での承認を条件として、2022年末までに手続きを完了する予定とされている。今回の決定について、ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)は「Uniperはドイツの天然ガスの約40%を供給しており、シュタットヴェルケや製造企業約200社に天然ガスを供給している。このためUniperが倒産した場合、シュタットヴェルケなどが天然ガスの供給を受けられなくなって連鎖倒産が起き、ドイツ経済に大きな混乱が生じる可能性が高く、政府は国有化に踏み切ることとした」と説明している。また、FortumのMarkus Rauramo CEOは「欧州エネルギー市場の現状とUniperの財務状況の厳しさを考慮すれば、同社の売却は同社だけでなくFortumにとっても正しい措置である。ロシアがウクライナに侵攻して以来、欧州におけるガスの役割は根本的に変化し、ガス重視の事業ポートフォリオの将来性はない」「Uniperの売却は、会社、従業員、投資家にとって痛みを伴うステップだが、Fortumは将来を見据え、コア事業である北欧のCO2フリー電力・熱供給、持続可能な顧客ソリューションに注力していく」とコメントしている。