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欧州:欧州水素パイプライン構想の更新(European Hydrogen Backbone)

2022-04-05
  • 欧州
  • エネルギー一般・政策

2022年4月5日、欧州大での水素専用パイプライン構想European Hydrogen Backbone(EHB)の更新版レポートが発表された。EHBは、EU水素戦略等を踏まえた2030~2040年の水素専用パイプライン敷設構想であり、2020年7月の初案ではガス導管事業者11社の参画による欧州10カ国の既存ガスパイプラインの転用を主としていた。今回の更新では、2022年3月に欧州委員会が発表した包括的な政策文書「REPowerEU」にて引き上げられたグリーン水素利用目標(年間500万tから2,000万tへ)を踏まえて規模が拡大されており、2030年時点で5つの水素輸入・供給ルートを欧州内に構築し、パイプラインの全長は2万8,000kmとなる。さらに、2040年には全長5万3,000kmまで拡張される予定であり、その60%以上が既存ガスパイプラインの転用、残りは新設となる。参画するエネルギーインフラ企業は31社で設立当初より大幅に増え、対象国はEU25カ国、英国、ノルウェーおよびスイスの28カ国となった。2040年迄の構想全体の必要投資額は800億~1,430億ユーロ(1ユーロは約135円)、パイプラインを利用した輸送コスト(水素1kg、輸送距離1,000km当たり)は、陸上ルートで0.11~0.21ユーロ、海底ルートで0.17~0.32ユーロと見積もられている。