- 2022-02-24
-
- 欧州
- エネルギー一般・政策
連邦経済・気候保護省(BMWK)のハーベック大臣(緑の党)は2022年2月24日、2022/2023年冬季に向けてガス・石炭の戦略的備蓄制度を整備すると明らかにした。2021年下期にはロシアのGazpromが欧州向けのガス供給量を例年より減らしたため、2022年2月には欧州各国でガス貯蔵設備の充填率が前年より大幅に低下した。BMWKは今後こうした事態を避けるため、暖房シーズンの開始前にガス事業者に貯蔵設備を一定以上充填するよう義務付ける方針である。足元の見通しとしては、仮に今ロシアからのガス供給が途絶したとしても、今冬~夏季にかけては国内備蓄で需要を賄うことができると述べた。大臣はまた、ロシア産天然ガスへの依存から脱却し、中長期的にガスの安定供給を実現するためには、需要削減も重要であることを示唆した。さらに、ガス調達先の多角化に向けて、沿岸部の2都市(ヴィルヘルムスハーフェン、ブルンスビュッテル)におけるLNGターミナル建設を支援する方針も明らかにした。今後の天然ガス火力利用の見通しが不透明になったことにより、関係者(産炭州首相や産業界、研究者等)からは安定供給維持のため原子力や石炭火力発電所の稼働延長を求める声が上がっている。ハーベック大臣はドイツ公共放送(ARD)とのインタビューで、「それ(石炭火力の稼働延長)が必要であるということを完全に否定はしない」と述べたが、「稼働延長は石炭輸入先への依存をそれだけ強めることになる」と否定的な見方を示した。原子力発電所の稼働延長については、2022/2023年冬季に原子力発電所を利用する可能性を明確に否定した。大臣は、「エネルギー依存脱却のための真の道は再エネだ」と語っており、再エネと水素大量導入のため大規模な投資を行う意向を示している。
